Moses Yamane O'yafko Real #006
無表情でクールな佇まいの中に、時折ロックの熱さを漂わせるThe Dark Roomオーナー、モーゼス。日本人の祖父を持つ彼は、1991年にアメリカ・サンディエゴから留学生として来日。その約5年後には、今や数々の有名アーティストも訪れるこの老舗ロックバー・ダークルームを内装から全て、自らの手で仲間とともにモーゼステイストに造り上げ、オープンさせた。とにかく良いレコード探しにお金と時間を費やし、現在も莫大なレコードがDJブースに置かれている。また、毎週土曜日の夜7時から9時には、Love FMにて2000年から続く「The Week In Rock」のパーソナリティを務める。『音楽=ロック。曲それぞれが雰囲気や気分、感情を造り出す。それぞれの曲の中で ”生きている” って感じることが出来る。これが、音楽だろ?』。また、料理にまでもとことんこだわり、『音楽と食べ物は同じ。たまにはジャンクフード/ミュージックも良いけど、基本は、音楽も食べ物も良いものを。』と語る彼は、自らのテイストに染められた音楽と空間の中で今日も"生きて"いる。
O'VOICE: Things Change. by Moses
物事は常に変化を遂げて行く。ここで今まで約20年間働いて来て、このエリアの移り変わりをじっくり見て来たよ。バブル期の頃のこのエリアの繁栄は今でも語りぐさになっているけど、バブル後の90年代、このエリアでは様々な事が変わったんだ。高かったチャージが安くなり、厳しかったドレスコードも緩和されて、自由に座りたい場所を選べる…。そんなリラックスしたスタイルになったのもこの頃。チケットシステムが次第に現金支払に変わり、それなりのクオリティ(のはず)をもっと身近に楽しむ事が出来るようになった。そして、沢山の人が、外出したらついでに親富孝にちょっと寄って遊んで行くか、はたまた本腰入れて遊ぶか、そうでなければ中洲かっていう様な状況だったな。1995年にThe Dark Roomをオープンした時は、自分もまだ若かったし、目標があったんだ。そのやりたかった事とは、日本にはまだ馴染みが薄かった本物のロックを海外から持ってくること。新しいモノから、オルタナティブなモノまで、様々な本場のシーンをここに集めて、ここから発信して行きたかったんだ。そして、結果的にその目的は果たされたと思う。その頃は、今みたいにインターネットもなく、レコードショップでの試聴も出来ない時代だったから、何か新しい音楽を入手したい時には、レコードを購入するしかなかった。だから、本当に沢山のレコードを買ったよ。そして、ここ、ダークルームに沢山の人たちが来て、そのレコードを聴いて、「何か」を見つけて帰って行く。そして自然とダークルームは、そういう場所として認知されるようになり、海外からツアーで来たバンドやアーティストたちもライブが終わったらここに来て、バーでリラックスして楽しんで行ってくれるようになった。今では、そんな場所もここだけではなくなっちゃったけど、その頃のダークルームは確実に影響力を持っていたお店だったと思う。
現在のこのエリアでは、ヒップホップやダンスミュージックが特に人気を集めつつ、ロックやその他の様々なジャンルのライブハウスやクラブ、良いイベントが多数あって、本当に多種多様な音楽を皆が楽しめる。今は昔と違って、クラブに新しい音楽を探しに行かなくても、家で一人でインターネットで探す事ができるようになったけど、新しい経験をするには、やっぱりいつも誰かと一緒がいい。そして、勿論、沢山の人に好まれてトップ40に入っている音楽も良いけど、もし、キミが何か違うものを興味を持っていたら、探しに行こう。ラッキーな事に、殆どの福岡のクラブやイベントはこのエリアに集結しているから、必死に探しまわらなくても、親富孝通りのどこかのストリートできっと見つけられるだろう。









